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本を読む習慣を付けよう (No.32) 2010年

テレビやゲームは考える習慣を剥奪する

  最近の子ども達は僅かな余暇もテレビやゲームの虜(とりこ)にされてしまい、近くに公園や空き地などがあっても遊びに行かなくなっているようです。テレビやゲームは考えなくても次々と面白可笑しく展開して行く為、考える必要は無いですね。また、欲しいものは何でも手に入るので、代わりのものを工夫したり、作ったりしなくても済みます。一方、ご両親は仕事で忙しく、子ども達と一緒になって過ごす時間も少なくなっています。このように子ども達は工夫したり、考えたり、想像したり、遊び方を工夫したりする、あるいは親達からいろいろな経験的なお話しを聞いたり、一緒に遊んだりする機会が少なくなっていると思います。このことは子ども達の成長にとって大きマイナスになっているのではないでしょうか。 

本を読む習慣を付けよう

幼児の頃から本を読む喜びを知った子どもは自ら知識を広めようとする

  人が生きて行く上で三つの基礎的な能力が必要と言われています。1.心身ともに健康であること、2.感応表現能力(※1)、3.基礎学力です。これらは幼児の頃から形成されるので、よく諺にもあるように「三つ子の魂百までも」はご存知と思います。更に小学校に入学する頃には子どもの一生を左右する基礎的人格や知的能力の土台が形成されます。人格の欠陥は社会的営みの中での摩擦や断絶、場合によっては非行にも繋がります。ここでは3.の基礎学力について触れたいと思います。

  基礎学力を評価する手段として言語能力、即ち、語彙をどれだけ知っているかと言う知悉(ちしつ)語彙数(ごいすう)(※2)に注目して見たいと思います。次の表は学力、知悉語彙数、読書(絵本、マンガ、雑誌も含む)、テレビ視聴時間などの関係を表わした調査結果です。

学力水準 知悉語彙数 読書量
(冊/月)
速読率
(字/秒)
テレビ視聴時間
(一日平均)
小1 小6 増加語彙数/年
上位 7,000 37,000 5,000 30~80 20~25 30分
中位 3,000 16,000 2,200 3~5 10~15 2時間30分
下位 2,000 8,000 1,000 0 0~5 3時間~6時間

  この表からもおわかりのように

(1) 小学校に入学する頃から既に子どもの知悉語彙数に大差が生じています。(子どもの知的発達は家庭での両親や親子の会話の質が子ども達の言語能力の発達に大きく影響している)

(2) 幼児期から少年期に掛けての読書量によって、子どもの知悉語彙数は幾何級数的に向上している。(この知悉語彙数の伸びの差は将来の創造力発達にも大きな差をもたらす可能性がある)

(3) 本を読む子どもは、学力水準も高くなる。

(4) テレビを見る時間が長い子どもほど、学力も低迷する。

(5) 本を読まない子どもほど、テレビ・ゲーム等の室内遊びが多い。ということが言えるかと思います。

 

本を読む習慣をつける

  私どもは子ども達に本を沢山読んで欲しいと考え、図書コーナーを設け、絵本など沢山の図書を揃えております。ご家庭でも本を読んであげるなどから始めると、段々自分でも読むようになります。幼いころから読書の面白さを知った子どもは本を読むことが楽しくなり、いろいろなことを知り、考え、夢が育まれ、想像の世界が広まります。子ども達の将来の為にも本を読む習慣を付けさせてあげたいと思います。但し、無理強いは禁物です

 

※1 感応表現能力・・人の言うことが分かり、ともに喜んだり、悲しんだりできる力。そして、自分の思いを伝え、考えていることを的確に知らせる能力。 ※2 知悉語彙数(ちしつごいすう)・・知っている言葉の数 。(参考資料 創教出版:岸本 裕史著「学ぶ力と伸びる力」)